VOICE.130 株式会社金堀重機様
ユニフォームのモデルチェンジで自社のブランディングを実現|お客様事例
お客様へのインタビュー、導入成功事例のご紹介。
福島県会津地域でクレーン車による作業全般や生コンの圧送を主軸として事業を展開する株式会社金堀重機(かねほりじゅうき)様。創業65周年のプロジェクトにあわせて一新されたユニフォームに込められた思いやこだわりを伺いました。
株式会社金堀重機様について
Q.御社について教えてください。
春田社長:当社は福島県会津若松市でクレーン車による作業や生コンの圧送といった仕事を行っています。
前身になったのが自動車の修理や販売を行っていた金堀モーター商会という会社です。昔はまだ整備されていない道が多く、交通事故が多発していたそうで、そのうち「事故車の引き揚げから自分たちでやってしまえばいいのでは」という発想に至り、クレーン車を導入しました。その後、建設業の需要が高まる時代に入ってから本格的に重機を増やし、それが今の金堀重機に繋がっています。
最近ではレッカー車も珍しくなくなったので事故車を引き揚げる仕事自体は減りましたが、「大きな除雪車が転倒した」「コンバインが溝にハマった」となると今でも声がかかったりします。
Q.御社の仕事の特徴を教えてください。
春田社長:当社では約80台の車両を使い会津地域を中心に事業展開しています。扱う車両はどれも大きなものばかりですから当然細心の注意や技術が必要です。現場に行ってみて初めてどんな作業が求められるかわかる…ということも少なくないので、社員自身がどれだけ臨機応変に対応できるかにかかっています。単純作業や簡単な仕事ではないですし、一人前になるには十年かかるという世界です。
大変ですが、働いた結果が建築物などの形として残るので、物作りに関わる喜びをダイレクトに感じられますし、人の役に立っているという充実感と達成感が味わえる職場です。最近当社で若い職人が頭角を現し始めているのも、そういう理由だと思います。
Q. 春田社長が社長職に就かれた経緯を教えてください。
春田社長:創業者である宮澤 文雄の孫が私の妻で、結婚を機に会津に引っ越して入社しました。現場を経験してから取締役社長に就任したのが2019年のことです。
三代目社長で現会長の宮澤 洋一が社員たちとともに建設業界の景気が全体的に悪かった時代や東日本大震災を乗り越え、私が就任する頃には既に多くのベテランが集い、地域からも信頼される会社になっていました。
Q. 戸惑うことも多かったのではないでしょうか?
春田社長:結婚が決まった時から跡を継ぐのは覚悟のうえだったので、戸惑いは少なかったです。前職は金融系の会社に勤めていたので、業界的なギャップは大きかったですね。なんといっても肉体労働ですし。
仕事への認識も大きく変わりました。仕事内容や立場が大きく変化したこともあって、以前より仕事に向き合えるようになった感覚があります。
それに会津という地域柄なのか、知り合いと知り合いが繋がっている…なんてこともよくあって、良い出会いに恵まれました。
個人的には事業承継よりも会社が直面していた課題について悩むことの方が多かったですね。
Q. どんな課題だったんでしょうか?
春田社長:先ほどお話ししたとおり、当社には技術力の高いベテランが多く在籍しています。年代でいうと50~60代。会社的には何ら問題ないようにも思えますが、若手とベテランとの間に立てる年齢層の社員がいなかったんです。
2000年辺りは業界が大変な時期で、その頃人材の採用ができなかったというのが原因でした。
未経験で簡単に始められる仕事というわけではないので、この中間役を担える社員を新たに採用するのは非常に難しいことでした。ベテラン達の技術を継いでくれる若手を育てて中間役になれる社員をこれから生み出していくフェーズに入ったんだと認識しています。なので現在は課題の解決に向けて採用活動に力を入れています。
ユニフォームについて
Q. ユニフォームのモデルチェンジをした理由(きっかけ)を教えてください。
春田 真菜専務(以下、専務):昭和からずっと同じ紺色の作業服を使っていましたが、時代の流れとともに見慣れたユニフォームを変える時ではないか、という思いは持っていました。
踏ん切りがついたのは、私がブランディングに関する動画を見て、「ユニフォームもブランディングのひとつとして活用できる」という気付きを得たからでした。それがきっかけで今回のモデルチェンジを決意しました。
そこにちょうど、ユニフォームネットの吉川さんが営業に来てくれて。まさに絶好のタイミングでした。
Q. 新ユニフォームのポイントを教えてください。
専務:今回のユニフォームチェンジは、「65周年の機会に」と走り出したこともあって、ただの作業服からまた代り映えしない作業服に変えても意味はないですから、いくつかの当社らしさが入っています。
ユニフォームに入れるワッペンやプリントの詳細を決めるにあたって、福島県在住のデザイナーさんに思いを伝え、デザインを作ってもらいました。
▲ワッペンデザイン
専務:「気は優しくて力持ち」という会社の特色を表す金堀重機のマスコットキャラクター的存在の金太郎。
「誰かのために働けることを喜びとする集団」という企業理念を織り込み、クレーン車のフックとコンクリートポンプ車のホースを象ったマーク。
そして65周年記念仕様の会社ロゴ。
新たにデザインを起こしてもらったことによって、より良いものになったと思います。
ブルゾン・パンツ・ポロシャツを作り、パンツは茶色を選んだので、以前までの作業服と比べると印象もだいぶ変わりました。
社名だけじゃなく仕事に対する信念も入れたくて、存在感のある大きめのプリントにしました。
「Kanehori No.1 operator team」・・・No.1オペレーターチーム
「KANEHORI TECHNIQUE & TRUST」 ・・・技術と信頼
▲着用写真
Q. ユニフォーム選定の経緯を教えてください。また、苦労した点を教えてください。
春田社長:やはりデザインを決めるのは大変でした。社員が60人もいれば当然意見は異なりますし、すべてを叶えるのは難しいです。そんなもどかしさがありつつもこうして形にできたのは、ユニフォームの一新に関わってくださったすべての方のおかげです。
Q. 新しいユニフォームに対する現場(着用者)の反応を教えてください。
専務:予想はしていましたが、着慣れたものが変わるとなると社員たちからは最初戸惑いの声が少なからずありました。ですが、出来上がってきた制服を見ると、「いいね」と。そんな感想があがってきたんです。
春田社長:仕事でツナギをメインに着ている職人達からは「新しいワッペンをつけたツナギはないの?」と聞かれるほどでした。
社員が新しいユニフォームを着て行った現場で居合わせた別会社の方から「良いですね」と声をかけられることもあったとかで。こうした反応は非常に嬉しいです。
Q. ユニフォームネットの対応はいかがでしたか?
春田社長:丁寧で助かりました。いただいた見積りの金額に関する説明もしっかりしてくれましたし、生地についても教えていただきました。こうした細やかさがあったからこそ、物を「比べる」ということができましたね。それだけでなく、見積り金額と同じ額で他に何ができるか、という話もしていただけたので、選択肢が増えてより良いものになりました。
専務:「こうしたい」という想いがあったので、その熱意や意図を汲み取ってくださったのが有難かったです。ただ売るだけじゃない付加価値を持って接してくださって、私自身も勉強になりました。
御社の活動や展望について
Q. 社会貢献や環境配慮などの取り組みをされていれば教えてください。
春田社長:どんな仕事も人のためになるものですが、建設業の仕事自体が社会貢献に直結すると思っています。この仕事が必要とされる限り今後も注力していきたいです。
地元で社員を雇い人材を育てることもある種の地元への貢献ですし、企業とはそういう場でなければいけないと考えています。
それ以外の活動というと、週に一回会社全体で街頭の清掃活動を行っています。
重機が何十台も出入りするだけでなく、その重機で泥や埃を運んでしまっているので、思うところが無い方がゼロということはありえないと思っています。ちょっとした恩返しも兼ねて、これからも続けていきたいです。
地域の理解なしにできない仕事ですから、感謝の気持ちを忘れたことはありません。
あとは、お子さん向けのイベントに大きな重機を持って出向く事や、逆にお子さん達を会社に招待することもあります。今は新型コロナウィルスの影響でその機会も無いですが。小さな子、とくに男の子はクレーン車などが好きですから、どこに行っても喜ばれます。
実は2020年に入社した社員の一人も幼稚園生の頃に当社の重機に乗った経験があって、その思い出がきっかけになって入社したと言っていました。かなり長期での種まきにはなってしまうのですが、こうした採用例にも繋がるという経験ができました。
▲公式ブログはSNSなどでも情報を発信
Q.これから力を入れていきたいことについて教えてください。
春田社長:やはり、なんといっても人材の獲得ですね。若手の採用と育成が目下の課題になっているので、最近は新卒採用も毎年行っています。
新入社員が後輩を紹介してくれたことで幸運にも良い人材に巡り会えています。ただ、紹介に頼る「人ありき」の採用は仕事内容とのミスマッチも起きやすい、という注意点も見えてきて、選考の過程も重要だと学びました。この経験を活かせるようにブラッシュアップしていくつもりです。
勿論採用して終わりではないので、教育にも力を入れています。
早期に現場を体験してもらって意識作りができるようにしたり、入社後の研修を充実させたり。個人面談の実施や成果を数値化して本人にフィードバックもしています。まだまだ手探りではありますが。
社員は各々現場に行くので、出発も帰社もほとんどバラバラで、毎日満遍なく声をかけられるわけではありません。だからこそ一人で立てる足をしっかりと当社の中で育むための仕組みを整えるのが私の仕事です。
Q. これからの御社の展望をお聞かせください。
春田社長:65年以上会津で商いを続けてきて、これまで当社で働いてきた先輩社員たちがこの地域で多くの技術を提供してきました。技術も信頼もあると自負しています。だからこそ、そんな最前線で活躍する先輩社員と一緒にこれから会社を支えていく若い社員たちの力が必要です。
中にはまだまだ修練が必要な若手もいますが、それでも今の仕事が成り立っているのは「金堀重機」という地元に根付いたブランドの名前に助けられているから。もちろん、助けられるだけにならないように若手も、育てる側の先輩社員や私も、懸命に前に進んでいます。そんな努力を会社が最大限に発揮できるようにしなければいけません。
今回制服を新しくしたことで帰属意識が高まり、金堀重機というブランドにいっそうの価値が付き、現場での期待値も高まってくれると予想しています。
やる仕事は変わりませんが、意識は変わるはずです。
見守って下さる周囲の方々に恩返をし、その信頼に応えられるプロ集団としてこれからも力を発揮していきたいです。
お客様情報
会社名 | 株式会社金堀重機 |
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所在地 | 福島県会津若松市 |
設立 | 1955年(昭和30年)創業 |
資本金 | 1,500万円 |
従業員数 | 60名 |
事業所 | ●田島営業所 ●宮下モータープール ●福島モータープール |
事業内容 | ・クレーン車作業全般(12t~220tまで。650tまで傭車可) ・特殊生コン~普通生コンの圧送作業(ミニポンプ~36mロングブーム) ・重量物長尺物輸送(4t車~14t車) ・重仮設バイブロ、パイル打込作業全般 |
ホームページ | https://kanehori.jp/ |